害虫

網戸と害虫⑤(【実験】網戸用の虫よけスプレーの効果は?)

夏の暑い時期や自然豊かな地域は、蚊が活発に活動しています。部屋の中に侵入した蚊に刺され、痒い思いをしたことは誰もがあるでしょう。

蚊による被害が多い時期や地域に、使用を勧められるのが虫よけスプレーです。空気中に散布するタイプがよく知られていますが、中には網戸に散布することで効果を発揮する商品もあります。

しかし、網戸用の虫よけスプレーについては、「何となく効果に疑問が残る…」という方が多いようです。そこで今回は、網戸用の虫よけスプレーに虫よけの効果があるのかを実験してみました。その結果と結論をお伝えします。

【実験】網戸用の虫よけスプレーは本当に効果があるのか?

虫よけスプレーの実験

実験では、「合成ピレスロイド」の成分を含む網戸用の虫よけスプレーを散布したネットと、散布していないネットを用意して、それぞれに近寄る蚊の数を調べました。

事前準備

透明なボックスを3種類用意します。ボックスは左から、網戸用の虫よけスプレーを散布するもの(A)、蚊を放つもの(B)、虫よけスプレーを散布しないもの(C)のの順に並べます。

A-B、B-C間は、それぞれ筒で繋ぎます。A、Cのボックスには、筒と繋がっている反対側の面に、16×16メッシュのネットを張ります。このうちAに張ったネットにのみ、網戸用の虫よけスプレーを散布します。

実験方法

①Bのボックス内に蚊を放ち、その行動を観察します。
②Aのボックス内、A寄りの筒内、Bのボックス内、C寄りの筒内、Cのボックス内にいる蚊を数えます。

結果と結論

以上の実験を4回繰り返しました。いずれも放った蚊の数は42~46匹です。

蚊の行動を見てみると、最初、放たれた蚊はAとCの両方へ、均等に移動していきました。その後、虫よけスプレーが散布されたAのネットに近づいた蚊は、ネットに張りつくことなくボックス内から出ていきます。

一方で、ネットに虫よけスプレーを散布していないCのボックス内には、多くの蚊が留まります。その数はおよそ20~30匹と、半分以上です。残りの蚊はAのボックス内、A寄りの筒内、Bのボックス内、C寄りの筒内で分散していましたが、比較的多くの蚊が見られたのはBのボックス内とC寄りの筒内でした。

実験結果から導き出せるのは、網戸用の虫よけスプレーを散布したネットに近い場所には、蚊があまり近寄らないということ。このことから網戸用の虫よけスプレーには、かなりの効果があることが分かりました。

【実験】網戸用の虫よけスプレーは本当に効果があるのか?

成分で異なる虫よけスプレーの特徴

一般的に市販されている虫よけスプレーには、今回の実験で使用した網戸用の虫よけスプレーと同様、「合成ピレスロイド」が多く含まれています。

合成ピレスロイドとは、除虫菊(じょちゅうぎく)の花に含まれている天然の殺虫成分「ピレトリン」を模して造られた化合物です。蚊の口や皮膚から体内に入ることで、神経に作用し、麻痺を引き起こすと言われています。虫よけスプレーの他、蚊取り線香にも使われている成分です。

合成ピレスロイド以外にも、商品によって様々な成分が使われます。以下に、代表的な成分をまとめました。

ディート

ディートは日本において、最初に承認された虫よけのための成分です。虫よけスプレーに使われる成分の中でも、とりわけ高い効果があるとされています。

蚊のような吸血害虫は、人間が発している温度や湿度、匂い、炭酸ガスなどを認識して、吸血源と判断します。ディートは、吸血害虫が持つこの感知能力を錯乱する効果があるのです。

吸血源を見失うことで、結果として蚊は吸血行動をやめます。人間が蚊に刺されることもなくなるのです。

イカリジン

1980年代にドイツで開発された、比較的新しい虫よけ成分です。日本では2015年に認可されました。

イカリジンの特徴は、年齢を問わず使いやすいという点です。ディートは使用者の年齢制限が設けられていて、12歳未満の赤ちゃんや子どもには使えません。しかしイカリジンには年齢制限がなく、子どもからお年寄りまで安心して使えると言われています。

独特のニオイがない、服を傷めないなども特徴です。イカリジンを含む虫よけスプレーは、誰もが比較的ストレスなく使えると言っても過言ではないでしょう。ただし、蚊、ブヨ、アブ、マダニにしか効果がありません。

天然成分

天然由来の成分です。多くの天然成分は、ハッカ、レモングラス、ミント、ユーカリのようなハーブを使っています。

天然成分を使った虫よけスプレーは、独特なニオイではなく、すっきりとした香りがします。虫よけ成分のニオイが苦手な方に向いています。

虫よけスプレーの成分は、人体に影響はないの?

虫よけスプレーというと、虫(生き物)にとって毒になることから、「人の体に影響はないの?」と不安を持つ方がいます。

同じ生き物でも虫にとって毒になる成分と、人にとって毒になる成分には違いがあります。虫よけスプレーには、虫のみに強い毒性がある成分が使われているので、ご安心ください。用法を守ればトラブルにはなりません。

どうしても心配な方は、イカリジンや天然成分が含まれる虫よけスプレーを使いましょう。

虫よけスプレーはサポート!網戸選びが大事です

網戸や空気中、肌などに虫よけスプレーを使うのは、蚊による被害を防ぐために大切です。しかし、虫よけスプレーはサポートのためのアイテム。もっとも大事なのは、蚊の侵入をしっかりと防げる網戸を選び、取り付けることです。

防虫性に優れる網戸なら、それだけで蚊の侵入を大幅に減らすことができます。加えて網戸用のスプレーを使うことで、防虫効果はさらに高まるでしょう。

防虫性を考えて網戸を選ぶ時は、メッシュサイズに注目してください。メッシュサイズとは、網戸のネットにある網目のサイズを指します。メッシュサイズは数字が大きいほど網目が小さくなり、虫が通り抜けにくくなります。

また、セイキでは防虫対策に効果的な工夫を施した網戸を取り扱っています。網戸を取り付ける際には、ぜひチェックしていただければと思います。

防虫対策におすすめ。セイキの網戸商品

防虫対策におすすめ。セイキの網戸商品

セロアII

片開き窓や両開き窓への取り付けに適した、コンパクトなロール網戸です。使わない時はネットを完全に収納できるので、景観を損なうことがありません。

セロアIIには密閉性の高い独自のガイドレールシステムを採用しています。これにより優れた防虫効果を発揮します。

スッキリ網戸

線径が細く、網目の小さなネットを使用したパネル網戸です。引き違い窓への取り付けに適しています。ネット越しでも窓ガラスに近い見え方なので、眺望性が抜群。それでいて防虫効果に優れています。

従来の18メッシュより、さらに網目が細かい35メッシュのネットが、小さな虫の侵入をしっかりと防ぎます。

フリーサイズ網戸

あらゆるサイズの引き違い窓に取り付けられるよう、幅広いサイズを展開しているパネル網戸です。加えて上下の高さを調整でき、どんな窓枠にもぴったりと納まります。

ガラス戸と網戸の間のすき間をなくす、戸当たり虫止めが備わっているのもポイントです。

他にもセイキでは、バリエーション豊かな網戸商品をご用意しています。ご家庭の環境に合わせて、ぴったりの網戸をお選びください。

対象商品