害虫

網戸と害虫③(害虫が引き起こす病気について)

害虫は様々な病気の媒介となります。また、害虫の死骸や糞が原因で病気が引き起こされることも。健康的な毎日を送るためにも、害虫対策は欠かせません。

害虫が原因の病気にはどんなものがある?

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害虫は、様々な病原菌を私たちの生活空間に運んできます。それらの病原菌は、体内に入ると、食中毒や感染症などの病気の原因となります。時には重篤な病気が引き起こされることもあり得るので、注意が必要です。

ここでは、身近な害虫が原因で引き起こされる病気の代表例をご紹介します。

蚊が媒介する病気の例

マラリア

・マラリア

マラリアとは、マラリア原虫が赤血球に寄生することにより引き起こされる病気です。人間の場合、マラリア原虫を持った「ハマダラカ」という蚊に刺されることによって感染します。

感染すると、一定期間の潜伏期間を経て、頭痛、発熱、悪寒、からだの震えなどの症状が表れます。診断や治療が遅れると、意識障害や多臓器不全など重篤な症状が引き起こされ、時には死に至ることもあります。

マラリアは亜熱帯、熱帯地域において、特に多くの感染者を出しています。熱帯地域を中心に流行する病気の中で、最大の感染者数を有する原虫感染症と言われるほどです。人の往来が活発な昨今においては、熱帯地域に限らず、世界中で感染者数の増加が懸念されています。

ウエストナイル熱

・ウエストナイル熱

ウエストナイル熱とは、ウエストナイルウイルスによって引き起こされる感染性の病気です。ウエストナイルウイルスは元々、自然界の鳥が所有しているウイルス。鳥から蚊にウイルスが移り、そのウイルスを保有した蚊に刺される、というルートで人間に感染します。

感染しても症状が表れないことも多いですが、重篤化すると、脳炎などの深刻な疾患を発症します。かつてはアフリカや中東、ヨーロッパなどで感染報告がみられていましたが、近年、アメリカやカナダでも感染者が増えています。アメリカやカナダとの往来が多い日本も、流行のリスクを抱えています。

デング熱

・デング熱

デング熱とは、デングウイルスへの感染により引き起こされる病気です。人間の場合、「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」などの蚊に刺されることにより、感染します。

感染すると、一定の潜伏期間を経て急な発熱、頭痛、全身の筋肉痛や関節痛、眼球後部痛、全身の発疹などの症状が表れます。症状が重篤化すると、胸水や腹水がたまる他、出血症状などがみられます。15歳以下の小児において症状が重篤化しやすい傾向にあります。

デング熱を媒介する蚊は、空き缶や竹の切り株などにたまった水でも繁殖可能です。そのため都市部でも繁殖しやすく、将来的には現代人にとって身近な病気となる可能性もあります。

・ジカ熱

ジカ熱とは、ジカウイルスへの感染により引き起こされる病気です。デング熱と同様、「ネッタイシマカ」や「ヒトスジシマカ」に刺されることで感染します。世界では主にアフリカ、中南米、アジア太平洋地域を中心に感染が報告されています。

感染すると、一定の潜伏期間を経て軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛などの症状が表れます。比較的症状が軽く、中には発症に気づかない方もいるほどです。しかし、妊娠中にジカ熱を発症すると、胎児に小頭症などの先天性障害をきたす恐れがあると言われています。

日本で感染する可能性は低いものの、ゼロではありません。ジカウイルスの流行地域でウイルスに感染した人が蚊に刺され、その蚊がまた別の人を刺し、ウイルスを運ぶケースが考えられます。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方は、日ごろから肌の露出を控えるなどして、蚊に刺されないようご注意ください。家の中への蚊の侵入を防ぐ、庭で蚊を繁殖させないなどの対策も、併せてとることをお勧めします。

ハエが媒介する病気の例

腸管出血性大腸菌感染症

・腸管出血性大腸菌感染症

腸管出血性大腸菌感染症は、一部の大腸菌が作り出す「ベロ毒素」という毒素によって引き起こされる感染症です。ベロ毒素を作り出す大腸菌としては、O-157などが特に有名です。

ハエは食べ残しや生ごみ、排泄物など、ところかまわず留まります。そのハエが人間の食べ物や手が触れやすい場所に留まることで、人間の口に有害な大腸菌が入ってしまい、腸管出血性大腸菌感染症が引き起こされます。

症状としては、激しい腹痛、下痢、発熱、嘔吐、吐き気などがあります。重篤な合併症を引き起こすリスクのある、危険な感染症です。

サルモネラ食中毒

・サルモネラ食中毒

サルモネラ食中毒は、サルモネラ属菌によって引き起こされる感染症です。サルモネラ属菌は、多くの動物の体内に存在している身近な菌。家畜やペットの排泄物に留まったハエが人間の食べ物に留まることにより、菌が人間の口に入ってしまい、感染に至ります。

感染すると、数時間~数十時間の潜伏期間を経て、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が表れます。サルモネラ食中毒にかかると脱水症状を引き起こすことがあるため、特に小児や高齢者は注意が必要です。

赤痢

・赤痢

赤痢は、赤痢菌という細菌によって引き起こされる腸管感染症です。赤痢菌がついた食べ物を口にすることで、感染します。不衛生な環境下で発生しやすく、ごく少量の菌でも感染を起こすという特徴があります。

感染すると、数日の潜伏期間を経て全身の倦怠感、悪寒、急激な発熱、激しい下痢などの症状が表れます。重症化すると、腹部がけいれんする他、下痢症状がより一層激しくなります。

日本における感染者は、衛生環境の悪い地域への渡航経験者がほとんどです。しかしまれに、輸入食品などが原因で感染することもあります。

ゴキブリによって引き起こされる病気の例

・アレルギー、喘息

代表的な呼吸器疾患である喘息。喘息の原因の1つに、アレルギーがあります。そしてゴキブリの死骸や糞などが、アレルギー症状を引き起こすことがあるのです。

ゴキブリは雑食性で、人間の食べ残しの他、腐敗した生ゴミや酸化した油など、栄養となり得るものはなんでも食べます。また不衛生な場所を歩き回るので、多くの病原菌の媒介となっています。

ゴキブリの死骸の一部や糞は、乾くと細かいホコリの一部になります。そのホコリがアレルギーの原因となり、アレルギー症状が重くなると喘息を引き起こしてしまうことに繋がるのです。

害虫が原因の病気を防ぐにはどうしたらいい?

病気を防ぐ男性

害虫が媒介したり、害虫によって引き起こされたりする病気には、非常に危険なものもあります。それらの感染を防ぐため、日ごろから衛生環境の維持と害虫対策を心がけることが大切です。

ここからは、害虫による病気を防ぐために、日常的に気を付けると良いことをお伝えしていきます。

食べ残しにはすぐにラップや蓋をする

食べ残しをそのまま置きっぱなしにすると、傷んで病原菌が発生しやすくなってしまいます。また害虫による感染症や食中毒のリスクを高める原因に。料理が残ってしまった場合はすぐにラップや蓋をするなどして密閉し、必要に応じて速やかに冷蔵庫に入れましょう。

生ごみは水気を切り、ビニール袋に入れる

病原菌が発生しやすい生ごみ。生ごみは三角コーナーに入れっぱなしにせず、料理の都度しっかりと水を切ってビニール袋に入れましょう。捨てる時はビニール袋の口をしっかりと結び、中に害虫が入り込まないようにしてください。

庭やベランダなどに水たまりができないようにする

蚊は屋外のちょっとした水場でも繁殖します。雨が降った後、庭やベランダにできた水たまりはそのままにせず、雑巾で水気を吸い取ったり排水したりするなど、しっかりと対策しましょう。植木鉢の底の受け皿にたまった水も蚊の発生源となります。受け皿にたまった水は小まめに捨てることが勧められます。

殺虫剤を適切に使用する

家の中や家の周囲において、害虫が発生しやすい条件が揃っていることもあると思います。そのような時は、殺虫剤の使用も1つの方法です。ただし殺虫剤の中には、過剰に吸引することで人体に影響を及ぼす恐れがあるものもあります。殺虫剤を使用する場合は、必ず用法を守りましょう。

網目が細かい網戸を取り付ける

害虫が原因の病気を防ぐためには、害虫を家の中に入れないことが何より大切。害虫が最も侵入しやすい窓に網戸を取り付けることは、害虫対策として大変有効です。

網戸の中には、網目が細かくより害虫が通り抜けにくいよう作られているものもあります。セイキでは、害虫対策に適した網戸を取り扱っております。皆様の健康維持のために、ぜひセイキの網戸をお役立てください。